「あなたは私に生きる理由をくれました
ですが、私はあなたに何もあげることができません
それでも、いいのですか?」
「えぇ、私はあなたに生きていて欲しいだけ
私にとってはあなたが生きていてくれるだけで
十分もらっていますよ」
「…そうですか、それならもう何も言いませんが」
「えぇ、こうして私の最後を看取ってくれるだけで十分ですよ」
「でも、そうしたら私の生きる理由が無くなってしまいます」
「そぅ、それは残念ね。私が生きているうちに新しい意味を見つけられると思っていたのだけれど……そううまくはいかないものね」
「私は、この先どうしたらいいのでしょうか」
「さぁ、それは私が考えることではないし、言うことでも無いですよ、それは自分で見つけないと…」
「でも、あなたは私に意味をくれました。私は探してもいないのに…」
「確かに、でもそれは私にとっても意味のあることだから…
あなたが出会った人たちの中に、あなたに意味を見いだせた人がいれば、その人がきっと意味をくれる。
でも、それを待っているのじゃなくて、あなたが誰かの中に意味を見つけてもいいのよ。
私があなたの中に見つけたように」
「…難しくてよく分からないけれど、私が死ぬ前に見つけられるよう祈っていて下さい」
「えぇ、もちろん。
さて、そろそろお別れのようね…
約束、お願いしますね」
「はい、必ず」
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