気づいたら独りで此処にいた。今まで何処で何をしていたのか全く覚えていない。
気づいたら此処にいた。周りを見渡してみると、高い空に丸い月。どうも今は夜の時間帯に俗しているようだ。
黒々とした空に、瞬く多数の星。それ以外には何も見えない。ただ、夜空が見えるだけ。
その景色を眺めながら、ようやく自分の視覚がが空を向いていることに気づいた。
試しに、身体を動かしてみようと念じてみる。しかし、身体はぴくりとも動かない。
現在の状態を確認しようにも、身体を視界に入れることが出来ない。視覚そのものを動かすことすら出来ない。
自分が今どんな状態なのかうまく把握できない。
そこでふと、自分がいったい何なのかを再び考えてみる。
と、そのとき、視界に変化が現れた。
星々が流れる様に動いていく。そうして、ある星を中心とした夜空が見えたとき、視界の変化がとまった。
中心に燦然と輝く星。そう、今自分はあの星をみている。中心の星がだんだん大きくなっていく。
そして、周りの星が逃げていく。
どうも中心の星に近づいているようだ。
「これが○○だよ」
と下の方から声がした。
「わぁ〜キレイなお星様〜。」
今度は幼い声がやはり下の方から聞こえてきた。
そこで唐突に自分が何だったのか思い出した。
そう、自分は天体望遠鏡だった。
性格には、天体望遠鏡に接続されているシステムだ。
自分では動くことは出来ないが、操作されることで様々な星や天体を映すことが出来る。
自分は、壊れるまでずっとここで星々や天体を映し続けるのだろう。自分を操作する人々のために。
それが、つらいかどうか私にはわからない。自分の存在に気づいたときからずっと繰り返されている事だから。
他には何も知らないから。
前 | 2007年 10月 |
次 | ||||
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 | 31 |
個人的なリンク
マウンテン公式Blog作家さんへのリンク
メーカさんへのリンク
同人サークルさんへのリンク